私が大在で開業したのは昭和47年3月3日、37才の時です。

私の生家は現在地より少し離れた田渕という集落で、開業医の父は昭和20年に他界したので27年のブランクがありますが、私は3代目です。

 

昭和47年当時の大在は今ほど発展しておらず、国道沿いは田んぼが多く半農半漁の地域であり、人口は約8000人だったと記憶しています。

医療施設は開業医が私を入れて5人で国立療養所が１つありました。

 

私は内科医で消化器病を専門にしていましたが、医療面では過疎地帯であったので、来院する患者さんは他科の方もすべて診療し、外科の縫合なども行っていました。どうにも対応できない時は、鶴崎・大分地区の病院を紹介しました。現在のように休日夜間当番制はないので365日24時間の対応を余儀なくされました。

その後、医療機関は充実し、開業医も増え、病診連携・診診連携が密接に行われるようになり、当番医制も定着してきています。

 

その間診療のかたわら、学校医、スポーツドクターとして地区駅伝大会の救護班、産業医として会社検診・農協共済審査、またライオンズクラブに入会し、アイ腎バンク委員・献血委員を担当しました。ずいぶん多忙な毎日で今思うと良くもできたものだと自分ながら感心しています。約5年前から息子が診療の加勢をしてくれるようになり、昨年より主たる診療をまかせる事にし、平成24年4月に院長職を交代しました。

開業40周年目の事です。

 

今後望まれる事は、今まで通り来院する患者さんを大切に身内と思って対応していくこと。

そして、地域医療を全うする事が開業医の役割だと思っています。